魔法少女認定試験

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 とまぁ、すごくどうでもいいことをテンション高めで考えてないと周りのマイナスイオン(ポジティブ思考)に当てられてまともに試験を受けられそうにない。……なんでこんなにみんな暗いの? 「……あの、私おしっこ行きたいです」  手を上げたのはさっき私と話していた子だった。しかもちらちらと私を見ながら。なんだよ一緒に来てほしいのかよ嫌だよ私そういうの苦手だもん一緒に行っても個室だし意味無いでしょ。 「はいどうぞ。他に行きたい人はいませんか?」 「この子も行きたいそうなので一緒に行ってきます」 「では二人の試験は十分後とします。他の人はこのまま試験開始としますので、自分の試験番号と同じ番号が書いてある席に座ってください」 「さ、ほら早く行くよ」 「……」  私は手を引かれ試験会場を後にする。仕方ないなぁほんと。でも別にそこまで嫌がることはないかなぁとか思ってたり思ってなかったり。一緒に行く意味は分からないけれど行くこと自体は否定しないって言うか、一緒の場所に行くなら一緒に行こうって思うのは当然だし! 別に私が行きたかったけれど言い出せなかったわけじゃないから! ほんとたまたま今行きたくなっただけだから! ほんとにほんと! だめだごめん我慢できないもう漏れる! 早く行こう! 「ごめんね無理矢理連れ出しちゃって。でもこうしないと二人きりで話せないと思って」 「その話トイレの後じゃだめ? もう我慢できないんだけど」  何やら神妙な表情で話す彼女は今どうでもいい。それより早くトイレ トイレ! おしっこが漏れてしまう! 「……本当に行きたかったんだ。まぁトイレの後でもいいよ」 「よしなら早く行こう! で、トイレどっち?」 「こっち」  私は彼女が指差す方向へゆっくりと刺激を与えず、かつ迅速に移動す る。その後を彼女は優雅な足取りでついてくる。  静かな会場の廊下には、私の慌てる足音と気持ち悪い息遣いだけが響いていた。 「それで、お話って何かな?」  トイレですっきりした私は大人の女性のような余裕を見せながら話を促す。決してさっきの慌てふためき余裕の欠片もない態度が本来の私ではないと思わせたいわけではない。いや本当に。 「私ね、この試験の数日前ある事を耳にしたの」
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