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清々しいほどの下衆笑顔で言われたら断れないじゃないですか。本当にもうみゃーこちゃんったら私のとこ好きすぎでしょ。はっ! これが巷で話題の恋というものなの!?
「早くしなさいあーちゃん。時間がもったいないでしょ」
はは、あれはただ単に調教楽しんでるだけだな。恋でも愛でもなくてペットと遊んでる感覚に近いかもしれない。私の心の奥底に眠る猫魂が反応しちゃう! とか無理矢理テンションあげないとやってられない状態。
「……もう、仕方ないなぁ」
とか言いながら自分も意外と楽しんでいることに軽く絶望。
私が文字通りにゃんにゃんしている間にできた夕飯はそれはそれは豪華なものだった。というかなに、外国のパーティでもこんなに豪華な食事とかないでしょと思うくらい品数が多い。しかし大半の料理名分からんし、なにあれ、肉のタワーみたいなのあるんだけど。どこの料理だよ。
「さてさて、料理が冷めないうちに食べちゃいましょうか」
母上殿がそう言うと各自好きな席に座る。
「あれ? まだ真紀帰ってきてないの?」
お姉ちゃんが手を使わずに料理をお皿に盛る。だから行儀悪いからやめなさいっての。お母さんも何膳もの箸を自在に操ってお皿に盛りだす。いやいやいや、箸使えば良いとかじゃないから。どうして良識派が私しかいないの。みゃーこちゃんに至ってはもう両手でチキン頬張ってるし、気にしてる私が馬鹿みたい。それはまだいい。誰か私の問いに答えておくれよ。無視とか一番傷つくんだからね!
「ねぇ、まだ真紀帰って――」
私がもう一度言おうとしたその瞬間、後方からまばゆいばかりの光が放たれる。慣れって怖いね、いきなり近くで超高等魔法使用されても動じないとかホント怖い。
「お呼びですかお姉さま!!」
「呼んでねぇよ。貴様の名前なんて一度も呼んだことねぇよ」
「照れなくてもいいんですよお姉さま! 私のお姉さまセンサーは外れることがないんですから」
だから最初から疑問符ついてなかったのか。相変わらずの変態ぶりである。と、ここで私はあることに気付く。真紀とみゃーこちゃんって仲悪くなかったっけ?
「で、どうしてお姉さまの隣にこいつが座ってるのですか? そこは私の特等席なんですけれど」
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