にゃんにゃん

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「あらごめんなさい、そうとは知らず座ってしまいました。でもペットの世話はご主人様たる私の役目ですから、常に近くがいいと思いまして」 「お、お姉さまが、ペット?」  おおう、怖いぞ妹よ。そんなに怖い顔私般若くらいしか知らない。もうちょっと私に語彙力があれば妹のこの気味悪い表情を伝えられるのに! 「あらそうよ? 知らなかった? この子ね、私の可愛い可愛い飼い猫なの」 「可愛いには全面同意ですが、ペットに関しては反論させてもらいます! お姉さまはペットではなく、この世の全ての可愛いを詰めたお人形さんなのです!!」 「んなわけねぇだろ。私は動く着せ替え人形じゃねぇんだぞ」  どこぞのなにちゃん人形だよそれ。私あんなに目くりくりじゃないし、髪も薄くない。それともあれか、暗に薄毛を指摘されてるのかな。 「それより、あなたもさっさと座って食べたらどう? この調子だとすぐになくなってしまうわよ」 「おいあんたら食いすぎだ! 少しはこっちの分を残しといてよ!」  気付いたときには既にテーブル上にはほとんど料理がなくなっていた。本当に驚異的なスピードで食べるなこの人たち。まぁそれくらい今日は体力を消耗したんだろう。魔法使用には結構な体力を消耗するし、それに関しては私も承知しているが、いやはや、今日はどんな魔法使ったのだろう。こんなに食事が進むほど多くの魔法を使ったのだろうか。それとも単にお腹すいてたのだろうか。どっちにしろ残しとけよ。 「夕飯はもう食べてきたの。だからいらない。だから今日はお姉さまがお肉をいやらしく頬張るところを眺めて楽しむことにするわ」 「いやらしく食事する人を私は見たことがない」  正確には何度かあるが、あれは棒状のものを食べているとき限定だ。今この場に棒状の食べ物は存在していない。ゆえに私がいやらしく食事するシーンは見せることができないのだ! 「はいこれ」 「早速フラグを回収してしまった私ってすごくないですか。すごくないですかそうですか」  お姉ちゃんがそっと目の前に出してくれた棒状の何か(フランクフルト的なもの)を食べないと先へは進めないということか。まったく、いやな試練だぜ!(こういうノリには乗りますはい) 「はい、あーんして」
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