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「今日は学校行きますよほらさっさと制服に着替えて。あと五分で支度しないと私が脱がします」
「いやそれ私のセリフだし、みゃーこちゃんさっさと着替えないと遅刻する」
「私に命令しないで。お腹にブラインドタッチするわよ」
「ごめん、言ってる意味がわからない」
「あーちゃんあーちゃん、お姉ちゃんボンバーしてるよほら。整えて」
「いい歳して妹に髪の毛整えてもらおうとするんじゃありません。自分でやりなさい」
「えー、じゃあこのままでいいや」
「いっそ丸坊主にするかこの女郎」
私は寝癖がひどいお姉ちゃんと寝起きが酷いみゃーこちゃんの相手をさせられてしまった。平和だった朝も、こうして見事に終りを迎え、混沌渦巻く修羅場と化す。
「お姉さま! 今日の私の下着は何色がいいと思いますか?」
「どうでもいい。いっそ穿かなくていいんじゃない」
「分かりました! 今日はもう何も穿きません!」
「いや穿きなさい。ほらこれ」
これに加えて妹のお世話とか私めっちゃお仕事できる人みたい! と思いっきり妹の顔面にパンツ投げつける。ただの布だと思えないくらいのスピードで額にヒットした。よし! 今日は三十点か、中々だな。
「あらあら、お父さん、お弁当忘れてますよ?」
「ああ、済まない。ありがとう」
「残さず食べてくださいね。もし残すことがあれば、その時は命を洗い流してあげますから」
笑顔でとんでもないこと言ってるねお母さん。なんだか相当病んでる人に見えてきた。
「よし! 準備できたから学校行こうみゃーこちゃん。お姉ちゃんも髪の毛梳き終わったから早く準備して行くんだよ」
「お姉さまお姉さま、私は?」
「知らんがな」
私はみゃーこちゃんの分のカバンも持ちながら、玄関を勢いよく開ける。そういやお父さん音もなく出かけて行ったな。忍者かあの人は。私は忍者ではないので、普通に大声で声をかける。出掛けるときに声かけないとちょっと落ち着かないんだよね。
「いってきまーす!」
「はい、いってらっしゃーい」
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