ご近所迷惑

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 疲労が溜まりすぎてついつい寝過ごしてしまったらしい。とはいっても私は別に皆勤賞とか優等生キャラとか狙ってないし、遅刻のひとつやふたつどうでもいい。さらに言えば今日はもう休んでもいいんじゃないかな。今日なんてあんまり好きじゃない授業のオンパレードだし、ついでに面倒な奴と一日会わなくて良いし! やったね! あ、でもちーちゃんとかマリンちゃんとかに会えないのは少し残念かな。すぐにでも試験の話をしたいのに。仕方ない、今日は学校を欠席して部屋でゲームでもして過ごすか。それとも『物理解決! 魔法少女ウィザプリちゃん!』でも観ようかな。 「あぁぁー。もうどうでもいいやぁー」  今日のことはとりあえずお風呂出てから考えよう。  私は再度全身をお湯に浸からせて癒されていると、外の洗面所が光って見たことのある形へと変化していく。あいつ、無駄なことに超高等魔法とか使うなよ。 「……お姉さま」 「やっぱりあんたか真紀」  私は妹の名前を呆れ声で呼ぶと、とっさに身体を隠す。腕二本しかないし隠すところも限られるけれど。 「お姉さま、昨日の試験にどうして現れなかったのですか?」 「ああ、それは……」  私が昨日の試験について話そうとした瞬間、妹は洋服を着たまま浴室に侵入してくる。全裸も嫌だが洋服も嫌だな。 「私がどれだけお姉さまの出番を待ち望んでいたと思っているのですか! もう心臓が張り裂けそうなくらいどきどきしながら審査員室で待っていたのに、どうして最後まで出なかったのですか! 私のお姉さまが素晴らしい魔法を使用してみんなの賞賛を浴びる姿を見たかったのに! そんなんだからお姉さまはお胸が育たないんですよ!!」 「おっぱい関係ないでしょ!! それに試験はきっちり受けたよ! まぁ今年から実施の特殊試験のほうだったけれど」 「……あれ、お姉さまの班に当たったんですかそうですか」 「なに、真紀は特殊試験のこと知ってたの」 「知ってるというか、試験官が知り合いというか」  変態の知り合いは、やはり変態ということでした。そういう法則で言ってしまうと私ももれなく変態になってしまうので、この妹とは縁を切っておいたほうが良いのかもしれない。
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