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そして結構お安くないか私。まぁ人のお値段の相場なんて知らないけれど。それでも五百万円はお安いと思うのよ。これでも私可愛い可愛い(自分で言うのもなんだが)将来色々と有望な少女だからもうちょっと高くてもいいと思うのよ。一億とか。十億とか。
「あーちゃんなんて少し乗り心地のいい椅子くらいの価値しかないんだから、五百万円でも高いほうだと思うけれど? あーちゃんに一億十億なんて価値あるわけないじゃない」
「心を読まれただと!?」
みぁーこちゃんには超高感度センサーでもついてるのか!? それとも波動察知システムとか作動させているのか!? それ私も欲しい!
「いやいや、あーちゃんは表情に出しすぎだから」
呆れ声で言われてしまった。そっか……私そんなに顔に出るのか。そういえば苦手なトマトとか食卓に並ぶとお母さんに「残したら、分かってるわよね?」とか見惚れそうなほど物騒な笑顔で言われるっけ。
でも今はそんなこと関係ない! だって。
「みぁーこちゃんの位置から私の顔見えないし! それにほら! 私顔
は結構可愛いじゃない? だから結構高いんじゃないかなぁって思った
り思わなかったりぃ」
「ぺったんこのすっとんとんというマイナス軸が強すぎて若干負けてる」
「うっさいわ! 胸はまだ成長途中じゃい! 今に見とれよ! みぁーこちゃんなんてすぐに追い抜いてみせるから!」
「あっそう。私今の大きさで満足してるから別に追い抜いてもらって構わないけれど」
「なんかすごい敗北感……」
確かにみぁーこちゃんは程よく育っていて、かつ張りがあるから今の大きさでも十分大きく見えるんだよなぁ。羨ましい。
「この世にはパッドというものもあるのよ?」
「それは逃げよ! あんな縦ロールンルンみたいに偽らないわ!」
「しかしそれがなければ土俵にも立てないという、憐れなあーちゃん」
くっ! 何も言い返せない自分の不甲斐なさが憎い!
と、まぁここまで話していてなんだが、私なんでこんなに怒られてるんだっけ?
「それは今日学校を休んだからです」
「そうでした」
というかナチュラルに思考を読まないでくださいお願いします。けれどどうして今日学校を休んだ程度でここまで怒られなくてはいけないのだろうか。理不尽極まりないことこの上ない。
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