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氷の城がある、国の中央。
国といっても、城と城下町、多少周りを囲む平原がある程度で、国というよりは番地、というくらいの広さだ。
その町から少し離れた丘には、小さな滝があった。
「、、、久しぶりね。ここに来るのも。」
よく、あの娘とここで話していたわ、私は。
辛い雨の修行の合間に、王女だった頃のコルディアーナ、と。
「懐かしいわ。あの娘は、すっかり立派になって。、、、私より大人らしくなってしまって。」
巫女レイン・セイクリッドはたそがれていた。
本来の自分に、なりながら。
それに呼応するように、彼女は表れた。
「久しぶりね、セイクリッド。雨神、レイン?」
「あ、、、。」
「先代は元気?私は元気よー。」
「フリージア様、お久し振りです。はい、雨神は変わらず、、、。」
相変わらず、明るい人。
しかしこの方は、先代の氷の女王。
偉大な方だ。
「そうかしこまらなくても、いいわ。、、、いやぁ、大変なことになったわね?魔界、というか全て?」
「はい。妖精王を二度止めるには、十字架の力添えがなければ、やはり厳しかった。」
「そうね、いくらあなたでも、、、。まあ、過ぎたことは仕方ないわ。やることは1つなんでしょ?」
「私の愛した娘達を守るためにも、妖精王の行いは止めなければいけません。」
「私の自慢の妹達もいるしね、大丈夫よ。やはりあの妖精王は、復讐を捨てきれない、か。」
三柱神とはいえ、一人の女。
妬みもするし、憎みもする。
「妖精王フェアロードは、昔はあなたのように穏やかだったんだけど、ね。人が変わった、としか言いようがない。」
「、、、エルフの行いが、非道であった、と。彼女はいっていました。」
「エルフか、、、。根源はやはり、女神と三柱神たちか。そうなると、私たち六鬼神や柱の問題ではないし、、、。難しいわ、ね。」
いや、ね。
人の妬みから始まった物語など。
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