優しき冷気、再び

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ユウミに叩き起こされ、不機嫌そうに起きるアイシス。 「もー、何よ。せっかく気持ちよく寝てたのに。私は一日に半日寝ないと駄目なのよ。」 「それはおかしいですよ、アイシスさん。、、、女王様が、エルフの森を見てきて欲しい、って。」 「お姉ちゃんが、、、。そっか、どうなってるか心配だもんね。わかった、確かに気になるわ。」 準備を進めるアイシスの横顔を見るユウミは考えていた。 「、、、うーん。」 私が好き、っていうのは何だったんでしょう。 うそなんでしょうかね? 「あの、アイシスさん?」 「なに。」 「アイシスさんは、私が好きなんですか?」 瞬間、アイシスの手元が狂い手鏡が落ちる。 「な、、、!?いきなり、なにを!?」 「いえ、何となく。」 「ば、馬鹿。馬鹿ユウミには興味ないわよ。私は、、、。そんな馬鹿なこと聞くから、馬鹿ユウミなのよ。」 「、、、そうですよね。」 やっぱり、夢の中の戯言、でしたか。 「ま、まあ、嫌いとは言ってないから。あなたはどうせお姉ちゃんラブでしょうし?」 「あ、あこがれてるだけです!もう。」 準備が出来た二人は、イズミを誘い森に向かうことに。 「ありがとうございます。エルフの森というからには、素晴らしい花があるに違いありません。」 「ふーん、あなた、花が好きなの?イズミさん。」 「はい。アイシスさんは、好きですか?」 「そうね。、、、綺麗だけど、もろいのが私にとって、辛いわ。」 「、、、それをいたわり、育て上げる先に愛情があると、思っています。」 「、、、、、っ。なるほど、ね。」 それは、冷気にも言えることかしら? 「見えてきましたよ、イズミさん。エルフの森です。」 「あれが、、、。」 「森のお姫さまはいないけどね。、、、、、?」 何か、違和感があるわ。 妖精王?いや、それに似た感覚がある。 なにか、いる?
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