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どこまで話せば釣りが終わるのか。
話しているのが長くなって、電話の相手をさせられているような気になってきた。
時計を見ると、もうそんなにこれで遊んでいたのかというような時間。
晩飯のために買い物にいくか食べにいくかしたいかもしれない。
「今から会うんじゃないの?」
『会う。けど腹減ったよーっ』
「飯、食いにいく?というか、性欲か食欲、どっち?…いや、あれって性欲?物欲?」
俺も話しているうちに馴れ馴れしくなっているかと思う。
『性欲。童貞食いたい』
恥ずかしげもなく、ずばっと言ってくれるものだ。
『タダで見ず知らずの男に抱かれるのもなぁって思って援助してもらうことにしただけ。……要、別に金いらないよ?セフレにでもなろうよ』
なんだ、それは。
気分屋。
「なに?ヤリマン?ビッチ?」
軽蔑してやるように言うと、ちょっと怒った。
怒らせると楽しい。
『金とってやるっ。…飯、いこ?どこで待ち合わせする?』
「俺がどんな不細工かもしらないでよく言うよな。釣りだろ?」
『あたし、ブスだからブサイクがいいんだよ。ね、身長いくつ?体重は?』
「180、68」
『平均?というか背、高い。もっと低くていいよ』
「俺の頭を押さえて縮めれば?」
言ってやると相手は楽しそうに笑う。
正直に言ってやって不満もらってもどうしようもない。
これでも少しは太ったほうだ。
酒で。
飯を普通に食っていても太らない。
菓子を食べすぎると油分の採りすぎか、肌荒れする。
『あたしね、155だよ。体重いわないけど、胸のサイズなら教えてやってもいい』
「別にいらない」
『聞けよっ。がっつけよっ』
ちょっと怒るから楽しくて俺も笑う。
『さわってサイズ当てたら1週間、毎日セックスしてもいいよ?』
「疲れそうだからイヤ」
『もっと盛れよーっ』
なんていうものを楽しんで、釣りでもなんでもいいやと思えて。
待ち合わせ場所にいくために俺は車を出す。
部屋着のまま。
髪をセットしたりもしていない。
釣っているのは男なのか、女なのか。
相手がこなかったらドライブスルーでもして、このままちょっとドライブでもしようか。
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