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そうこうしてる間に、授業は終わりをむかえる。そして休憩時間、涼也は転校生アリス=クレイバーに集る男子生徒たちを眺めながら、次の授業の準備を進めていた。そこに朝の十時前から弁当箱を開き始めたレナンが涼也に言う。
「すごい人気だねえ。ああいう子がタイプなの?」
「いや、転校生もさ、なんとなく和領国の人間に似た面構えというか……うーん微妙なラインだな」
「でも本人は北の大陸出身だって言ってたじゃん。すっごい肌も白いし、まるで人形だね!」
確かに、と言い捨てて、涼也はアリスの方を見るのをやめた。
「ところで、次の授業ってなんだっけ」
「次は幻素学。はあ、魔導実践の授業以外やる気おきねえ」
「相変わらず座学嫌いだねえ。軍の部隊編成とか絶対覚えてないでしょ?」
「なんだそれ……」
なに言ってんだこいつという顔で涼也はレナンを見る。そんな涼也を見て、レナンは何処からか取り出した眼鏡を掛けた。インテリキャラを気取る時に愛用してるものだが、あまり似合わない上に中学時代には「おばあちゃんみたいな顔」とまで言われたが、彼女はその程度で揺るがない。眼鏡は現役である。
「よろしい。ならば説明します!」
「いいよ、どうせ理解できないから」
余計なお世話だと切り捨てる涼也を無視して、レナンは勝手に説明に入る。
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