上位争奪試験編

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「まず! 魔導軍隊のトップは元帥らしいけどどんな人なのかは殆どの人が知らないね。その下に大将って呼ばれてる五人の各部隊を仕切る総隊長がいるの」 「総隊長ってあれか、リヴォルタ教官とかの階級か」 「そうそう、魔導部隊、機動部隊、武装部隊、医療部隊、技術部隊があって、リヴォルタ先生は魔導部隊の総隊長だね」 「そこまではわかるけどさ、そっから先をあんま覚えてないんだよ」  なんだかんだ説明を受けている涼也は、レナンに先を促す。 「五つの部隊は各九つの分割された部隊を持ってるの。第一部隊が総隊長率いる最高位部隊ね。第二、第三と続いて、数字が増えるほど下の階級なの」 「第九部隊が一番下ってわけか」 「うん。それで分割された各部隊にも隊長はいて、その人たちが分割部隊長って言われてるの。それは総称だから、第三部隊長でも第七部隊長でも、分割部隊長って括りの中ね」 「……ふーん」 「はい、理解してないねー、理解してないでしょー? ってあ痛たたたた!」  涼也は、馬鹿にしたように顔を近づけてくるレナンの鼻を思い切り捻ってから、教科書を開いた。 「ほら、もう次の授業始まるから大人しくしてろ」 「もー、暴力に逃げるなんて野蛮だよ」  鼻をすすりながら涙目の少女は席に着いた。結局、涼也は階級などについて、理解が及ばなかったのであった。  
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