ドラえもん

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 彼女は、携帯にドラえもんのシールをつけてる女の子だった。  彼女が携帯を取り出すたび僕はそれを見た。  そのたび、僕はその可愛らしさに胸の鼓動を感じた。  きっかけは何だったのか。  今思い返してみると、それは出会った時から始まっていたのではないか?  なんてことない、それは友達の教室に遊びに行った時。  その友達が一緒に話してた、一人の女の子。  別に特別気になったわけでもないはずだった。  ただ、二つのことが僕の心に引っかかった。  その子が周りをキョロキョロと見回していたこと。  その子の声が気安かったこと。  第一声が、これだった。 「あ、こんにちわ~。君がハルちゃんの友達の祐輝(ユウキ)ちゃんですか?」  ……ゆ、祐輝”ちゃん”?  呆気に取られる僕を目の前にしても、彼女の笑みは崩れることなく、まるでお客さんの前で注文を待つウェイトレスのように見つめ続けた。  その彼女の挙動不審さが、その時の僕の中で印象となって残った。  その子は、僕が友達に会いに行く時、いつもそこにいた。  そしていつも周りをキョロキョロと見回していて、僕が来たことに気づくと、 「あ、こんにわ~。祐輝ちゃんは今日もお元気ですか?」
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