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その子の名前は椿。
全然、笑わない女の子で
初めて笑ったのは
姉が会社を創ったときくらいの頃
家にきてから約一年と半分かな?
俺が買ってきたシュークリームを
一緒に食べたときのことだった
俺がシュークリームをかじると
反対側から中身がぶっと飛び出て
テーブルをクリームだらけにした
その姿が面白かったらしくて
椿は笑ったんだ。
今でも思い出すよ
あんなに幸せそうな椿の顔
まあ、今じゃそれが普通だがな。
椿が笑うようになってすぐに
姉の会社が潰れて家もなくなり
アパート生活、極貧生活。
椿はなんて可哀想な運命なんだ
と、思うが逆に作用したみたいで
椿はよく笑いよく怒りよく泣く
そしてしっかり者になって
今じゃ俺は椿の尻に敷かれてるよ
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