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龍之介は自分の書いた数行のあとがきを最初から読み返し、さらにもう一回読み返した。
勢いだけでここまで書いてはみたものの、その先をどうやって続ければいいものやらと困り果ててしまう。
そもそもこの二週間近くは本編を仕上げるために部屋にこもりきりで、昨日やっと書き上げたばかり。
あとがきのネタなどあるはずがない。
それなのに涼城という編集者は、原稿を受け取った後の帰り際に「じゃ、ついでにあとがき八ページお願いします。明日また取りに来ますんで」と言い捨てていきやがったのだ。
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