―1―

9/13
前へ
/102ページ
次へ
ピエロは、もう一組のカップルに近づいた。ガタガタと震えている。 二人の横を通り抜けて、ピエロは店員を立たせた。そのまま奥に入っていく。 一組のカップルと、腰を抜かした女性と、背中を刺されて呻く男性、そして僕たちが残された。 残ったピエロは、ナイフの次に、本物かどうかわからない銃を取り出した。 見ている僕に気づいて、 『本物ダヨ』 と聞いてもいないのに教えてくれる。 (どうしよ。早くあの人の止血しなきゃ。) じりじりとタイミングをはかっていると、奥からピエロが出てきた。
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加