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「世の中、金だよ、金。」 いつだったか、親戚のジジイが、そう言ってたのをなんとなく思い出した。 あの時は、子ども心に“こいつ嫌なヤツだな”って確か、思った。 アケミはフッと笑った。 足元には、2つの死体と、スーツケース。 スーツケースを取るついでに、今までの恨みをこめて、死体の腹を踏みつける。 ――グシッ。 血が飛び散る。 「チッ。ヒールが汚れたわ。」 ボソッと呟いて、その場を離れる。 あとは、彼がなんとかしてくれるだろう。 さあ、宣戦布告だ。
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