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「先生、私急がなきゃ「あなたは」
言葉を遮られ驚いていると、担任が少しずつ近づいてきた。
(え、私怒られちゃうのかな…)
少し不安になりうつむいていると、ふっと小さく笑う声が聞こえた。
「あなたは、僕の顔をきちんと見ようとしませんね」
「…え?」
突然の言葉に戸惑いながらも、心の中では「確かに…」と思っていた。
(そういえば私、なんでか先生の顔、直視できない)
「柳さ「あ!!」
今度は涼花が担任の言葉を遮った。
「私、急がなきゃ!先生、さようなら!」
理恵に「遅い!」と文句を言われている自分の姿が脳裏に過り、また涼花は小走りで出口へ向かう下りの階段を目指した。
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