第四十八章

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「それで、私も巻き込むかもって事ですか?」 「あぁ。まぁ、ここに来て、俺とこうなった時点で巻き込んでるから、今更かもな」 土方は涼花をじっと見つめた。 そして、 「ハルを斬ったのも、きっと伊東達だ」 とは、流石に土方も言えなかったが、心の中で呟いた。 土方は、吉田の時の事を思い出していた。 土方を乱す為に、涼花を攫った吉田。 伊東は、ハルを消した事で、土方をじわじわと焦らすつもりなのだろう。 次はお前の女の番だぞと、言われているように思えてならない。 涼花を傷つける事なく人質にとるような真似をする伊東に対し、 (これなら、いつも俺を殺そうと目の前に現れる七里の方がマシだな) そう思うが、これは全て土方の憶測。 ハルが斬られた本当の理由なんて分からないし、誰が斬ったかも分からない。 それでも土方は、自分の勘に自信があるようだ。
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