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「え?移転?」
「うん、狭くなってきたからね、ここも」
ある日、沖田から突然聞かされたのは、屯所の移転話。
近頃ずっと、屯所内では新撰組幹部達の間で屯所の移転話が出ていたが、それを涼花は知らなかった。
「へぇ、どこになるの?」
「んー、まだハッキリとは決まってないみたい」
そう言う沖田だが、移転先がある程度決まったから、こうして涼花に話しているのだ。
言葉を濁したのは、話が順調には進んでいなかったから…
移転の理由は簡単で、先程沖田が涼花に話した通り、隊士が増え狭くなったからである。
そして、沖田が濁した移転先の候補に上がっているのが、西本願寺。
この、西本願寺、
提案したのは土方である。
隊士が収まる広さはもちろん、西本願寺は勤王思想が強い。長州との親交もある。
そこを、屯所に構えれば…
「一石二鳥だろう。広さもあって、"向こう"との関わりを切らせる事ができれば」
と、いうわけである。
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