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「…ん……」
その日、涼花はいつもより随分と早く目が覚めた。
まだ、隊士達も寝ているような時間…
何気なく障子をあけると、すっと冷たい空気が入ってくる。
ぶるっと身を震わせた後、これ以上部屋が冷えないように、そっと障子を閉めた。
その、障子を閉めた音が、
耳の奥に妙に響くーー…
この障子を次に開けた時には、景色が変わっているような、そんな気がするのは何故だろう。
涼花の中にあるそれは、静かな胸騒ぎで、事あるごとに感じてきたもの。
また、何かあるのか…
布団に再び潜り込むと、先ほどまでの自分の体温が残っており、居心地の良い温かさ。
再び目が覚め、障子を開けた時に、
どうかいつもと変わらない一日が待っていますように…
そう願いながら、そっと瞼を閉じた。
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