第一章

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理由は言わず、行きたい高校があるから一人暮らしをしたいと父親に話した。 すると父は 「涼花が決めたことなら、応援しよう」 少し寂しいけどね。と笑いながら、涼花を送り出してくれた。 しかし涼花だけで金銭面をどうにかするのは当然無理で、父たちには工面してもらっていた。なので、一人暮らしをしているという点以外では、普通の高校生と変わらなかった。 これで毎日色んな感情に追い込まれなくて済むんだ。 そう思っていたが、一人になっても相変わらず、謎の渦は涼花を離さない。 母の病死、父の再婚による正体の分からぬ闇は、思っていたよりずっと、涼花の中で根付いていたのだ。
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