妄想

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僕は毎日地元神社に行く。 感謝してるから。 「えびす様のおかげ、お金に苦労しない。ありがとうございます」 ハロウィーンの日に渋柿のオバケから声をかけられた。 「おい。毎日来ているお前。下の渋柿を持って帰れ」 「ワッ……ビックリした。オバケですか妖怪ですか」 「どっちでもいいから、下の渋柿を持って帰れ」 「食べられないから、ご遠慮します。すみません」 「お、お前。俺を誰やと思ってんの」 「渋柿のオバケですよね。ハロウィーンだから」 「し、渋柿隊の隊長の俺って有名やん。愛煙家で有名やん」 「初めまして。知らなかった」 「渋柿太郎って有名ちゃうん」 「知らない人がほとんどですよ。桃から産まれた桃太郎は有名だよ」 「も、桃太郎。知らへん。教えてくれへん」 「家に絵本があるから、家来る」 「行く行く」 僕は柿太郎を枝から引きちぎりました。 「あ、いたたた。痛いって」 「すみません」
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