妄想

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僕は柿太郎を持って帰りました。 部屋の本棚にあるのはデザインの本や絵画集やデザインの資料集ばかりでした。 「桃太郎の絵本ないんかいな」 「本屋さんに行って来るから、ちょっと留守番してて」 「煙草ついでに買うて来て。セブンスター頼むわ」 僕は財布を持ち買い物に出かけた。 本屋さんの絵本コーナーに行き「桃太郎」を読んだ。 面白くて絵本に興味を持ちました。 レジの書店員さんの目を見れない。 絵本を購入するのが恥ずかしかった。 本屋さんの近くのタバコ屋さんでセブンスターを購入しました。 タバコ屋さんのお婆さんは笑って「自販機で売ってますよ」と言いました。 僕は煙草を止めて20年以上になるから、自販機で買えるカードを持っていない。 僕が「禁煙中なんです」って言うと、タバコ屋さんのお婆さんはキョトンとした顔になりました。 「ただいま」 「おかえり。お疲れさん」 僕は態度の悪い渋柿を見て笑ってしまった。 「ははは。はい。セブンスター」 「おおきに」
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