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優歌が加入後のライヴは圧倒的だった、正確なリズムと男顔負けの力強い音によってバンドが進化したように感じられた。
相変わらずマイナーな曲のカバーとオリジナルしかやらないので初めての箱では苦戦をしいられていたが一年で固定ファンができはじめてきた。
「いやー、もう地元じゃ負けるきしないな。ちょっとした有名人ですわ」
ライヴが終わり打ち上げのファミリーレストランでコーラを片手に俺は浮かれていた。
「確かに、優歌が入る前のバンドからかなり成長してきたし、もう地元のちっちゃな箱じゃ物足りなくなってきたな」
「とりあえず武道館予約しとこうか?」
優歌がパフェをツッツキながら呟いた
「おいおい、面白いなそのジョーク。
とりあえず10年後位にしとくか?」
だが、優歌は笑っていなかった。
「10年かぁ。いいね、10年後に三人で武道館立つか?」
急に純が立ち上がり、俺と優歌は目を丸くしていた。
「何驚いてるんだよ。簡単な話だろ?俺達はオリジナル曲を持ってる、それを売る、金が入る武道館借りる。 完璧な計画じゃないか」
「頭いいねー! そうよ、何か足りないと思ってイライラしてたの、よし目標は10年後武道館よ」
優歌も呼応するかのように席を立ち上がり、純と意気投合して浮かれている。
「なあ?自主制作っていくらかかるんだ?」
先ほどまで新たな目標に浮かれていた二人がピタリと固まる。
「とりあえず何枚売るかでかわってくるよな、前に手売りしてるバンドに聞いたらレコーディングとCD プレスで200枚作ったら10万位って言ってたなぁ」
「へぇ、そんなもんなんか一人3万ちょいならいけるな」
俺の、のんきなセリフに二人がため息をつく。
「200枚どうやって売るんだよ?」
「あん?そりゃあライヴで手売りだろ?」
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