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「ライヴの手売りっていっても俺らのやる箱に新規客はあまりこないだろ?
全員が買ってくれればまあ完売できるかも知れないけど、そんなに甘くないし」
「ちょっと待って」
優歌が困った顔を浮かべていた。
「ごめん、武道館目指しての一歩目だから2000とか3000とか作るんだと思ってた」
「いきなり4桁はリスク高いだろ」
純は少し考え、500枚と案を出した。
マスター音源さえあればプレスするのはいつでもできるしCD の売り上げでまたプレスしていけば金策にも困らないとの考えから出た案だった。
「じゃあ、俺らはあの小さな箱を飛び出す時期が来たってわけですね」
そうと決まれば金を稼がないといけない2年の冬休み俺達はアルバイトで金を稼ぎながらそれぞれの腕を磨くことに集中することに決めた。
CD 制作費とライヴ遠征費あわせて50万をかき集めることに決めた。
「ちょっと用事あるから先に帰えるわ、遊ばずにまっすぐ帰れよ」
1000円をテーブルに出して、純は帰っていった。
「うーん、僕は諭吉を置いていって欲しかったな」
「足りてるんだから文句言わないの、どうせ釣り銭もらうんでしょ?」
「ふふ、僕はそんなケチじゃないですよ。ちょっとトイレ行ってくるわ」
トイレ行った帰りについでに会計を済ませた。
「さて私たちも帰りますか。」
席に戻ると優歌は帰れる状態になっていた
「私も1000円で足りるかしら?」
「ふふ、俺がただトイレに行っただけだと思うかい?」
「笑えるね、どこでそんなスマートなやり方教わったんだよ」
「スマート 支払い でぐぐった」
「へぇ、意外とそういうとこ気にするんだ」
優歌は何か嬉しそうにカバンに財布をしまった。
「メールで純にお礼言わなきゃね」
店を出た後に携帯を取り出して文章をうち始める
「えっ?俺にはお礼ないのかよ。 てか、俺お前のアドレス知らないわ」
「そうね教えてないもん。1年バンド組んでて全く聞かないのはどうかと思うけど、ってお礼言って欲しいの?」
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