chemical

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「優歌ちゃ~ん、トラブルは御免だよ。もしかしたら近い内に同級生らしいのくるから追い返してって言うからちょっと協力したけど。 彼らマジで心配してるんだからからかっちゃだめだよ~」 冴えない中年男店番がいきなりキャラクターをかえて優歌に甘えている。 「ヤスアキ叔父さんごめんねちょっと悪ふざけ過ぎたかな」 叔父さん?はい? もう僕の頭はこんがらがってしまっていた。 「しょうがないなぁ。特別に私のショーがまもなく始まるから見せてあげましょう! ステージ裏ならお客さんじゃないから未成年いれてもいいでしょ?」 「優歌の友人なら叔父さん目をつぶっちゃうよ!」 最初のイメージが完全に吹き飛んだ異様なハイテンションの叔父さんにヒキながらも案内されるステージ裏についていった。 ステージ裏につくと丁度裸のお姉さんが舞台から降りてきてスタッフに労われる所だった。 他人の裸を初めて見た俺は顔が熱くなるのを自分でもわかるくらいに恥ずかしい気分になっていた。 「女性の裸見ただけで赤くなっちゃって。これだから童貞は」 ニヤニヤしながら俺の反応を優歌はみていたようだ。 うるせぇよ、と図星な言葉に一言幼稚な返答しか出来なかった。 「私を見て、逝かないようにね」 何故かギターをチューニングをしながらのウインク。 ん?ギター? なにヤってんだこいつは? 不思議な顔で見つめる。 簡単にチューニングをすまして行ってくるねと俺達に手をふり出ていった。 未体験のものを見る待ち時間、のどがカラカラになり心臓はバクバクしていた。 暗いステージに優歌が立つとスポットライトが彼女をパッと照らした。 ステージ裏にいるスタッフに目で合図を送ると音楽が流れ、そして優歌もギターを引き出した。 普段から見慣れてるはずの俺ですらギターを引く姿に何故か見とれてしまった。 そして彼女が歌い出す。 流れてる曲は俺達のオリジナル曲 ギター以外の音は打ち込みで音源をつくりキーを彼女に合うようにされている。 何より、歌うのが俺ではなく優歌。 俺は周りを引き込む彼女のオーラと、あまりにも透き通った歌声に心打たれた。
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