chemical

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「なあ、マジな話しするか?」 「あん?何だよ。めんどくさいのは勘弁よ」 喫茶店の中カレーを頬張りながら答える。 「お前の歌声と作詞作曲能力。俺は大好きだし優歌も俺と同じ気持ちだと思う」 「半分以上お前作曲じゃん。まあ、俺の作曲なんて鼻歌みたいなもんで形にするのもお前なんだからほぼおんぶにだっこ君の力だよ」 どうしたんだ?と心配な目で純を見る。 あっ、これはマジな目だと口に持っていくスプーンを止めて水を一口飲んだ。 「アホ。最初から素直にききなさいよ」 俺がちゃんと話しを聞く姿勢になったのを悟り、少し純からも固さがとれた。 「vvands のツインボーカル。そして作詞作曲も優歌に参加してもらおうと思う」 ん?いやだから元々俺もその話しをしたくてここにこようといったんだが? などの突っ込みはグッと堪えた。 フゥと深い溜め息をつき、何か覚悟を決めたようだ。 「ここからの話しは、優歌に言うなよ。 あいつさお前がいないときにスゲー誉めんのよ、あっ人間性じゃないぞ、声とか音楽性の話な、あっ人間性はちっとも誉めてないぞ」 ほーう、水に入っていた小さな氷を噛みくだく。 実は純の後ろに優歌がすでに現れてることは内緒にして聞く。 「歌詞と音楽が混じり合って一つの塊として入ってくる声でさ、スゲー綺麗な低音だろ? あいつの好きな声ドンピシャッらしいんよ。 んで、暗い性格から書き出される歌詞ね、これがねほんのそこらに書けないよ、絶望的な暗さから小さくヒカル希望!まるでパンドラの箱を開けるようだってね」 熱く語る純の後ろで目を点にして突っ立ってる優歌を見て笑を我慢するのがキツい 「さっきさ、優歌お前のこと誉めた時もお前のほう見て言わなかったじゃん? あれ多分壁に話してるつもりで頑張っていってたんだろうぜ」
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