set off

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冬休みをバイトに明け暮れ。 それから今までの曲の再アレンジ、新曲作り、地元でのlive、アルバムレコーディング そして間にバイト この半年てバンドの新たな要素優歌の歌声が見事に融合し、さらには優歌メインボーカルの歌までできてしまった。 だが、スタジオでレコーディングをしたときなんて酷い有り様だった。 世に俺達の音源が出回ると興奮と緊張がやまなくミスとドジの連発大変な収録になったがなんとか、8曲入りのオリジナルミニアルバムが完成した。 完成したミニアルバムを東京の少し大きめなliveハウスに送り、動画サイトにのせて反応を待った。 そんなこんなしているうちに俺達の遠征live、 まあ言っても隣の隣の東京でのliveなのだが、高校3年の夏に行われることが決まった。 「東京、東京かぁ。あー埋まるかね?動画サイトにアップしたり東京の路上でも宣伝しまくったし。 やれることはやったよな?」 俺はかなりビビっていた、なんていっても必死に貯めた活動資金も残り僅か。 liveをしてもそこそこ客が入らなければペナルティで赤字補填もあるからだ。 大丈夫、大丈夫と余裕を出す優歌。 「いやーやはりこんな可愛い子がロックやると東京でも楽勝楽勝」 最近やけに上機嫌、それも仕方ない。 動画サイトのコメントや、東京でのモデルのスカウト、ファンの男の優歌オタク 周りが常にチヤホヤするもんだから、困ったたものだ。 「てか、がさつな口調結局俺らの前でしかしないんだな」 格好は金髪のエクステと何故か最近彼女お気に入りのスカジャンと派手さはあるのたが、ファンと話す時は普段の猫被り状態になる。 「この間こいつファンの男から熊のデカイぬいぐるみ渡されて、ワー私テディベア大好きなんです!抱いて寝ますね?」 って言ってたなとちょっと意地悪な言い方で純が真似する。 意外にも優歌は怒らなかった。 「本当にそれよ。ロックの格好した女の子が実は乙女系?みたいな?って結構受けるのよ」 これもバンドの為よと胸をはる。 「まあ、日常は猫被りで過ごしてるんだから楽勝だろ?」 まあねとニヤリと笑った顔に女の怖さを感じた。
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