序章

6/6

10人が本棚に入れています
本棚に追加
/58ページ
「運転しながらあいつの曲を聞くのはちょっと難しいな。 明日も会社休めよ、今日は朝日を拝むまでここで曲を堪能しようじゃないか」 純の少し無茶な注文に困ったが、どうせ出社しても働く気がしないと考え会社を休むことにした。 「俺たちはもう社会人なんだぜ、仕事なくなっても知らねえぞ」 海に来る途中純がコンビ二で買ってくれた缶コーヒーを開けぐいと飲む。 「俺は会社辞めるよ」 純の突然の宣言にコーヒーを吹き出しそうになる。 横にいる純の横顔を見ると海を見つめる顔は真面目なものだった。 「本気なのか?これから何すんだよ?まあ30歳が転職のターニングポイントって言えばそうなんだけどどうすんだよお前」 「俺がこれから何するかは優歌のCD聞いてから話すよ」 純は俺が手に持っていたCDを取り車に戻り曲を流し始めた。 俺もすぐに助手席に戻り歌詞カードを広げ耳を澄ました。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加