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「…中に居るのは8人、協力者からの情報によるとこれで全員です。」
裏口に回った稜さんと御頭に通信機で状況を知らせる
見張りが消えた事に未だ気付いてないようで中の様子は呑気なもんである
『そこの指導者は分かるか?』
僕は中に居る8人を観察した
…ああ、あの人だろうな
組織を纏める人物なんて皆同じようなモノを持っている、組織の柱となる器量に滲み出る威圧感
「黒のシャツを着たスキンヘッドの男です、裏口付近に座っています。」
『その男をまず狙う、人質にとって仲間が黙る様なら生かせ。発砲でもするようなら指導者を残し殺せ。』
「はい、まず僕が指導者以外を引き付けます。…そうですね、僕が”いいえ”と言ったら入ってきてください。」
『ああ、頼んだぞ。』
僕はネクタイを締め直し、息を吐いた
…精々撃たれないように気をつけるか
拳銃は懐に入れたまま、扉を開けた
「誰だ!!」
すぐに7つの銃が僕に向いた
七人で一人を守って、何だか七人の小人みたいだ
まあそれにしたら持っているものが物騒すぎるけれど
僕は軽くお辞儀をして微笑む
「御前…神代蛍か…?」
「はい。名前を覚えてもらえているとは光栄です。」
7人が目を見開き動揺したように銃を持つ手に力を入れた
そりゃあ怖いだろうね、僕たちが殺すのは犯罪者ばかりなんだから
「見張りはどうした!…殺したのか?」
「はい。」
きっと彼は死んだことにも気づいてないんだろうね
僕は彼らの恐怖を煽った
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