序章

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「ん?この建物って何です?随分立派ですが。」 警官の服を着た若い男が指差した先にあるのは言葉通りに立派で大きな建物だった 煙草を吹かす初老の男がそれに答えた 「あの警察学校だ、随分前にニュースになってただろう。」 「…自分少し前までテレビに縁が無い暮らしをしていましたから。」 若い男の言葉に初老の男は驚いたように目を見開いた後、煙草を携帯灰皿に押し付け話し始めた 「ここの警察学校は数年前に潰れたが、全国で肩を並べる学校がない程に優秀な者が集っていた。」 「何故そんな学校が廃校に?」 「神代蛍。これは最近のニュースでもよく取り上げられるが知っているか?」 「ある犯罪組織の一員ですよね?」 「ああ…数年前までは素性が明らかになっていなくてな、それを良いことに  警察学校に潜入していたらしいんだ。」 「ええ…!?」 若い男は驚愕した 「そいつが優秀な男でばれずに頂点まで上りつめたと思えば、学校の不祥事を世間に公開し廃校まで追い詰めた。」 「それは凄いですけど…何でそんなことをしたんですかね?」 初老の男は白髪交じりの髪を掻き、呟くように言った 「きっとそれが、彼らなりの正義なんだろう。」 若い男は首を傾げた
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