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そっ
思わず身を固まらせた
僕の唇に触れる手をつたって視線を上げると、桜庭佑一ははっとしたように手を離した
「す、すみません…これで拭いてください。」
差し出されたハンカチ
自分でも予想外の行動をとったのか顔を背けて動揺を隠す桜庭佑一
…僕だって驚いた
一佐と同じ顔の男に触れられて何も感じない筈がない
「ありがとうございます。」
素直に好意を受け取り、ハンカチを手に取った
真っ白なハンカチは唇を押し付けるとじわりと赤く染まった
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