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「敵地に向かうのに軽自動車ってかっこつきませんね。」
「仕方ねえだろ!俺だって乗りたかねえわ!」
びしっと高いスーツを着た御頭が天井の低い軽自動車に首をすくめて運転している様は笑えた
仕事柄、乗り捨ててしまう車も多いため経費削減のため軽自動車を使う機会も多いのだ
公共の交通機関は顔が世間バレしていて使うには危険すぎるし
血生臭いだけじゃない、実はこの仕事は繊細な部分も持ち合わせている
「今回の事件、何が目的なんでしょうか?」
ここ最近都内にある大企業の幹部が立て続けに命を奪われている
金銭被害が無いため金目当ての犯行ではない
犯人は捕まっておらずその目的というのは一切解明されていない
「その犯罪グループって実はリストラされた社員共で復讐のつもりなんじゃねえのか?」
「恨み辛みを持っていたとしても、幹部殺して警察から逃げ切れる能力を元社員達が持っているとは思えませんけどね。」
素人が出来ることじゃない
助手席から後部座席に顔を向けると稜さんは顎に手を置いて何かを考えている様子だった
「稜さん?」
「…何でもないさ、さあもう着くよ。」
前を見れば人気の無い道にさしかかっていた
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