◆4◆ 呪縛の門出

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   「弦っ!!」  父親が窘める。 「もう相変わらず手厳しいんだから。でも社会に出たらオブラートに包むってことも大事なんだからね。」 「ご、ごめんなさいねこの子思ったことすぐ口にするから。」 「いいんですよ。さ、段取り説明しますね。」 「俺、帰っていい。」 「もう行っちゃうの?」 「だって自分のこと虐めて月依さんマゾみたいだし。」 「「弦っ!!」」 「ふふ。じゃあ、式の時にまたね。」  嫌味をサラリと受け流して少年を見送る。 「すまないね、月依さん。」 「いいえ。あれくらい言われた方が逆にスッキリします。みんな避けて通りたがるから。」 「月依ちゃん・・・本当にごめんなさい。」  手を握り泣いて相手の母親が謝ってくれた。 「月依ちゃんが納得する形で2人には、ちゃんと償わせるから。」 「ああ、約束する。」  自分の親よりも親らしい優しい気遣いに心から救われる。 「だったら2人を祝福して私を棄てて下さい。」 「月依・・・・・・ちゃん?」   
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