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「私は、大丈夫です。この仕事が好きですし1回結婚に失敗したくらいで仕事を変えていたら私のキャリアが勿体ないので。お話しが済んだのなら失礼します。」
一礼をして部屋を出ると声が一瞬で止む。
「(来ないで!)」
駆け寄って来そうな相手を目だけで制止して自分の席に戻る。
「大丈夫ですか、先輩。」
「大丈夫よ。私には、スキルとキャリアがあるから。ただ結婚にしがみつくだけのその辺の女とはレベルが違うんだから部長の嫌味くらい何ともないわ。」
「そ、そうですよね~」
馬鹿にしに来た後輩たちが蜘蛛の子を散らすように去る。
「おい、見たかよ。」
「怖ぇ。アレだもん男より付かねぇわ。」
「鈴村も乗り換えて正解だったよ。」
「相手女子大生なんだろう。」
「マジか!羨ましすぎる展開じゃん。」
「お前ら煩い。仕事しろよ。」
「いいじゃん悠葵。もう社内中周知の事実なんだから。」
同僚たちのタチの悪い絡みも日ごとエスカレートしていた。
「そうね。若い方がイイっていってあげたら。はい、小西くんデータ出来上がってるんでしょうね。」
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