第1章

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そんな斎藤は根っからのコーヒー好きで、世界各地からコーヒー豆を取り寄せては、休日に自ら豆を挽き、香りを楽しんでいる。 ある日、斎藤はいつものように休日にコーヒーを淹れていた。 本日は色々試した中でも1番お気に入りのキリマンジャロの豆を使って、コーヒーを淹れる事にした。 キリマンジャロの豆を挽き、熱湯を注ぐ。 瞬く間に湯気が立ち、フワッとこの空間にキリマンジャロの香りが広がる。 斎藤は、この時こそかが人生最良の時と言わんばかりの顔になる。 そしてコーヒーを一口啜る。 コーヒーの味が口内に広がると、斎藤は何故か渋い顔をする。 味がいつもと違う気がする…。 すごく不味い。 分量を間違えたのか? 豆が古かったのか? 挽き方が悪かったのか? 原因を探るが、答えが見つからない。 折角の至福の時が台無しになり、苛立ち始めた。
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