自分自身への告訴

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「はい。治療も受けていますが、まったく効果はありません。私みたいなケースは、初めてで難しいと思ったのですが、あまりにももう一人の私が好き放題やるので」 「それで、罰を与えようと」 「そうです」 「しかし、仮に告訴が出来て賠償請求なり出来たとしても、結果的にはあなた自身が払うことになるのですよ」 「それは大丈夫です。お互いに別の財布を持っていますから」 客は財布を取り出して、ラウル氏に見せた。 「もう一人の自分も自分で稼いだお金があります。どこからどうやって稼いできたのか分からないですが、金はそこそこあるようです。もちろん、使い方も派手なようですが」 「もう一人の自分があなたの金を取ったことは?」
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