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人々は自分の頭で何か新しいことを考えようと始めた。
しかし、一向に何も浮かばない。
本当に何も。
それくらいに我々は情報を与えられていたのだ。
自分から掴みに行くというより、目の前に情報が転がっていただけだった。
それを知った人々は落胆し、コンピューターを恨みもした。
誰も悪くない。何も間違っていない。
科学も否定するものでもない。
気付くべきだった。
いや、こんな状況でしか人間は気付けない。
ようやく思い知らされた人々は一生懸命に考え始めた。
何から考えていいのか分からないくらいのスタート地点に立っていた。
それを諦める者は日々、死んだようにフラフラと彷徨っていた。
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