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ホテルを出て、アタシとトシヤは腕を組んで路地裏を歩いた。
横を見上げれば、造りの良い横顔。
トシヤはアタシの視線に気づいて、アタシの方を向いた。
「ん?」
「……なんでもない。」
2人が結婚するのは一年後。
マリナの卒業と同時に2人は籍を入れるらしい。
と言うことは、アタシがトシヤと一緒にいられるのもあと一年と言うことだ。
それを思うと、急に胸が締め付けられた。
「ねぇ、トシヤはもし一億円あったらどうする?」
「え?俺かぁ…う~ん…。」
『リカと世界一周旅行に行く。』
嘘でもいい。
嘘でもいいから、トシヤがそう言わないかなと思った。
「俺なら…」
その時…。
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