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「一億円…あったら、かぁ…。」
「ん…何?」
フカフカなベッドの上で、アタシは余韻に浸りながら。
トシヤはタバコに火を着けながら、ピロートークを始めた。
「今日マリナと、話してたの。」
「あぁ、一億円ね。」
「もし一億円あったら、アタシ、トシヤを買いたい。」
「プッ…かわいいこと言うじゃん。」
トシヤは垂れた目を更に下げて言った。
その言葉に少しムッとしてしまったけど、トシヤのその顔が、すごく好きだと思った。
「ねぇ、もしかしてマリナって一億くらい持ってる?」
社長令嬢だし、それくらい貯金があるかもしれない。
何十階もある高いビルの社長の一人娘。アタシには想像もつかない世界に、マリナはずっと生きている。
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