2章

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その緊張感を最初に破ったのは内藤だった。 「あ、あのさ私たちって佐藤に斉藤に内藤じゃん?だからややこしくならないように皆名前呼びにしない?」 確かにそれは良い案かもしれない。しかし提案する者があれば反論する者もいるわけで。 「今はそんなことしてる場合じゃないだろ!状況を考えろ!」 「今だからこそだよ。こんなときこそ一致団結、頑張っていかなくちゃ」 あらら。ちょっと内藤と四海が危ない雰囲気になってきたぞ。 そう考えた俺が2人を止めようと口を開くが、先に発言したのは紅亜だった。 「別に良いんじゃない?減るもんじゃ無いんだし」 「………勝手にしろ!」 そう言って四海は壁の方を向いてしまった。 こいつは普段、こんなに怒りっぽくないのにどうしたのだろう。まあ、この状況じゃ仕方ないか。 取り敢えず四海と内藤の仲をどうにかしておかなくては。まずは内藤からだな。 「内藤さん、普段はアイツ起こりっぽくないんだ。こんな状況っていうのもあるし、許してやってくれないかな?」 「さっきも言ったけど沙綾で良いよ。私もカイル君って呼ぶから。それに気にしてないし」 この子、ええ子やでー。よし、後は四海だけだな。 沙綾との話が終わった俺は、未だに壁の方を向いて座っている四海に近づき、話しかけた。 「恭弥ちゅわ~ん、元気だ~してちょ~だい?」 腹パンされた。
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