2章

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「人ではないって…。じゃああれは何なんだよ!!」 恭弥がややキレ気味に言うが、 「知らねえよ」 というより知ってたらこんな話題にならねえよ。 「とにかくここにいても何もない。持てる物もって移動しよう」 紅亜がさっきも言った案をもう一度出す。こいつは変に行動力があるからな。その分よく失敗するが。 そして俺はここで思った。 外に出るという選択肢は無いのかと。勢いで逃げてきてしまったが、まずは外に出てこの状況を外部に伝えるべきでは無いのか。 俺はこの考えを3人に話した。 「確かにそうかもね………、じゃあこうしよう。まずここを出て玄関に行き、出られるかどうかを確認して、出られるんだったらなるべく人を集めてこの学校を出る。出られなかったらまたその時考えよう」 「佐藤…孝秀も探さなきゃならないしな」 俺が何時ものように、佐藤、と名字で呼ぼうとすると沙綾がこちらを睨んできたため孝秀、と名前で呼び直す。 えっ、何、名前呼びは強制なの?俺、アイツだけは名前で呼びたくないんだけど。 「よーし、各自荷物整理して出発だー」
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