2章

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「と言っても持っていくものはそんなに無いけどな」 それぞれ急いで逃げてきてしまったので自分のカバンは教室に置いてきてしまった。それにいくら緊急事態とは言え、保健室の備品を勝手に持っていくのは気が引けるからな。 精々持っていくものと言えば、財布、携帯電話(俺のは壊れて電源が付かないが)位だろう。 「武器とかは持っていかなくて良いのか?」 恭弥が周りを見渡しながらそう聞く。 「おいおい、物騒なこと言うなよ」 「でも襲われても困るだろ」 「じゃあお前は武器を持ってたとして、襲ってきた奴を殺せるか?」 「っ!?それは…」 そうなのだ。武器を持つ事と、自分に向かって襲いかかってくる奴を殺すことは別だ。殺しは殺し、それ以上でも以下でもない。 「どうしてもお前が武器を持ってないと心配だって言うなら、そんなヘタレ君にはこれをプレゼントしよう」 そう言って俺が取り出したのは掃除用具のロッカーから取り出した自在箒。この箒の頭の金具を弄ると… 「テレレッテッテレー、木の棒」 俺はこの箒を改造して作った木の棒を恭弥に渡し、自分用にもう一本作り、それを持つと、紅亜に頷いて合図を送った。
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