2章

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◇  ◇  ◇ PM 5:45 「ブォォン!ブォォォン!キン、キン!ブォォン」 「あー、もううるさいな!もう少し静かに歩けないの?」 怒られちった。 保健室を出て廊下を歩いている時に余りにも暇だったから、襲いかかってきた恭弥と某宇宙戦争ゴッコをして遊んでいると沙綾にそう怒られた。 そんなことをしながら進んでいくと、廊下の角から人の足が出ているのが見えた。どうやら男子らしい。 取り敢えず気絶しているようなので、近づきながら声をかけてみる。 「あのー大丈夫で…」 俺が廊下の角を曲がった瞬間にそれは見えた。 破れてはいないが赤黒くなっているズボン、血まみれの頭、腹から飛び出している内臓、見開かれている目。 確かに人は倒れていたが、訂正するべきことが1つ、その名も知らぬ男子は死んでいた。 「止めろ!!来るな!!」 俺は後ろの3人を止めた。恭弥はともかく、女子にこの現場を見せるわけには行かない。 「な、何!?何なの!?」 沙綾が慌てて後退りしながら聞く。これは本当の事を言うべきか…。 「人が死んでるから、来るな」 えっ、ちょ、お前何で言ったし。
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