2章

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いつの間にか俺のとなりに来ていた恭弥が「フムフム」とか言いながら死体を観察している。 いやお前「フムフム」じゃねえし。何してくれてるの?折角俺が気を利かせて言わないようにしてたのに。 「その死体、どうなってるの?」 紅亜が死体に恐れず聞く。 「やっぱり食い千切られたようになってる」 俺は沙綾に聞こえないように、コッソリ紅亜に説明する。只でさえ怖がっているのにこの情報はヤバイからな。 「死体か、それじゃあここは通れないね」 沙綾もビビりながら、別ルートを提案する。 「確かにここは無理だな」 俺が紅亜の案に賛成し、そう発言しつつ廊下の先を見る。 この先…さっきは目の前の死体に集中してたから気づかなかったけど、大量に死体が転がっているんだよな。それも同じような無惨な死に方で。 これも言わない方が良いな。 「遠回りになるが、グルッと回って反対側の階段を使おう」 「そうだね」 俺たちは気持ちの悪さもあってか、急いでその場から移動した。それはそうだ。何時までも死体と一緒に居たい奴なんかそうそう居ない。 急いだため、移動する直前、死体の1つが動いたことに気付く者も居なかった。
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