3章

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俺たちは各々叫びながら沙綾を追いかけた。 そして角を曲がる直前、直ぐに沙綾の姿が見えた。が、俺たちの声が聞こえているはずなのに反応する様子が無い。 何やら嫌な予感がする。 俺は急ぎ、走って角を曲がる。そこで見えたものは立ち尽くしている沙綾と、沙綾に向かって歩いてくる女子生徒。 だが、女子生徒の様子がおかしい。フラフラと歩き、まるで教室で担任を食った生徒の様…!? 「沙綾!!ソイツから離れろ!!!」 俺は直ぐに沙綾に離れるように命じるが、沙綾は振り返るだけで逃げようとしない。その間にも様子のおかしい女子生徒は沙綾目掛けてフラフラと歩いてくる。 「沙綾、早く!!」 「何を言ってるの?弥生は私の友達だよ?」 沙綾はキョトンとしているがそんな場合ではない。早く離さないともう5メートルもない。 「バカ野郎!!ソイツは危険なんだ!!」 「いい加減にしてよ。私の友達にそんな言い方は無いんじゃない。謝ってよ」 ダメだこいつ、分かってない。もうこれは無理矢理離すしかない。 そう考えた俺は走るが、もう……。 「ほら、弥生も何か言ってやり…な…よ…」 俺が走り出した時、沙綾が話しかけ、振り返ろうとしたとき女子生徒は沙綾の首に噛みつき肉を引きちぎった。
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