3章

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「えっ…?何で…?やだ!!」 紗綾はやっと異変に気付いたのか、途端に弥生という女子から離れる。が、力が上手く入らなかった様で、倒れてしまう。 そして弥生は倒れた沙綾に追い討ちをかけるように、覆い被さり噛み付こうとする。 「オラッ!」 だが、そうはさせないと俺が弥生の頭を蹴る。ゴキッという何かが折れたような嫌な音がして、首が有り得ない方向に曲がる。 そこでやっと弥生の動きが止まる。と、ここでやっと恭弥と紅亜が誰か見知らぬ生徒を連れ、やって来た。 「おい、お前ら話は後だ。取り敢えず沙綾を保健室に連れていくぞ。首の怪我治療しないと」 「残念だが、それはやめた方がいい」 あ?何言ってんだ、このゴリラは。 俺は沙綾の首の怪我を見せつけるようにして、ゴリ(仮)に押し出した。 「おら見ろ。このままじゃ血が流れすぎて死ぬぞ。幸い怪我は左で頸動脈には達していないから、まだ希望はある」 俺はそれ以上話を聞く姿勢を見せずに、沙綾を背中に背負って、保健室への道を歩き出す。。その際、沙綾の傷口から流れ出る血が制服に付いてしまうが、今はそんなこと気にしてる場合ではない。 紅亜達は俺の話を聞く姿勢が分かったのか黙って着いてきた。 つーかゴリ(仮)は帰れ。お前身体でかいからあの保健室の広さでも狭く感じるんだよ。
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