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「なるべくなら危ない橋は渡らない方が良いだろう?」
案の定こちらが想像していた通りの返答をしてきた。はっきり言って酷い。かなり酷い。
「もし、彼女が感染して我々に襲いかかってきたらどうするのかな?」
そして酷いが、今は一番現実的な考えでもある。確かにこんな状況じゃしょうがないかもしれない。でもな、
「だからって、あそこに置き去りなんてできるわけ無いだろうが!!」
「違う違う。今、俺が聞いたのはそう言うことでは無いだろう。襲いかかってきたらどうするんだ、と聞いたんだ」
ゴリが首を振りながら、さっきの質問を繰り返す。
そうか。要するにこいつは自分が死ぬのが怖いだけなんだ。それならこっちにだって考えがある。
「そんなに死ぬのが嫌なら今すぐ、ここから出ていけ」
「ふざけるな!今出たらやつらに喰われるだろう!」
「ふざけているのはお前だ。沙綾に喰われたくないんだろう?じゃあ消えろ」
ゴリは怒っているのか、肩を震わせていたが、自分の荷物を纏めて保健室の前に立った。
「他にも生き延びているグループが有るようだ。そこに入れてもらうとするよ」
「そうか。せいぜい追い出されないように気を付けるんだな」
正直、こいつにはもう会いたくない。願わくは、早々に死んでくれることを祈るばかりだな。
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