3章

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ゴリが俺たちの前から姿を消した後、俺たちは何をするでも無くただボーッとしていた。それほど迄にさっきのゴリの言葉に衝撃を受けていた。 確かに、このまま沙綾を放っておけば感染して俺たちに襲いかかってくるかも知れない。だが、それも可能性の話。かもしれないの話で人を見殺しにはできない。 そんなことを考え、頭を抱えながら床の上を転げ回りブレイクダンスを踊っていると、恭弥がゴミを見る目で俺を見ていた。 「おまえなにしてんの?」 「カイ君、流石に今ここでその動きは気持ち悪いよ」 「イヤー、これからどうしようかなーっと思ってさ」 「本当にこれからどうしよう?」 そうそう…って。 「沙綾!目が覚めたか!」 「たった今ね。隣でそんな踊られてたら寝られないって」 そう言ってベッドから起き上がろうとするが、紅亜が止めようとして押し戻す。しかしそれを遮って起き上がる沙綾。 「身体に異常はないか?」 「ううん。寧ろ凄く体調がいいの」 良かった。俺が無理矢理起こしたような物だからちょっと心配したけど、めちゃめちゃ元気ですやん。
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