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「さっきの人、他にも生き延びている人たちがいるって言ってたよね?」
沙綾のその発言によって突然話題がアクロバットした。と言うより、本人は寝てると思ってたけど聞こえてたのか。
「合流しなくていいのかな?」
「する必要が無いじゃないか。あちらさんにも迷惑だろうし」
「そうだよね…。私みたいな感染者がいれば誰も仲間になんて入れてくれないよね…」
俺が焦る必要は無い、という意味を込めて言った言葉をどうやら別の意味で捉えてしまったようで、沙綾は少し俯き、ネガティブ思考に陥ってしまった。
「大丈夫だ。そもそも沙綾は感染なんてしていない。あいつらみたいに襲ってこないのがその証拠だ」
「でも、いつそうなって紅亜たちを襲うか。怖くて怖くて…。」
遂に耐えきれなくなったのか、泣き出してしまう。保健室に気まずい空気が流れる。
そんな空気の中、真っ先に行動を起こしたのは、やはりと言っては言い方が悪いが紅亜だった。
「よし!それじゃあそのグループに会いに行こう!」
そして出した考えは怪我人がいるのに移動をするという、無茶ぶりすぎる考えだった。
「おいおい、沙綾は怪我人だぞ。それなのに移動させるのか」
「大丈夫大丈夫。沙綾はカイ君が背負って行けば良いし」
いや、そう言う問題じゃねえし。
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